読めばわかるコラム:Vol.23 強い営業チームには“本気スイッチ”を入れるリーダーシップ力がある

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前回のコラムでは、営業マネージャーと営業リーダーの違いに加え、「真の営業リーダーは、その人ならではの考えや情熱で人を動かすことができる“リーダーシップ力”を持った人である」ことを述べた。

例えば、営業チームの業績が振るわずモチベーションが下がってきた時でも、真のリーダーはチームを奮い立たせる術を知っている。

今回は、営業チームに“本気スイッチ”を入れるリーダーシップ力についてお伝えしたい。

チームの低迷に「愚痴の共有」は有効か?

CSが下がり、リピート客が減少し続けている飲食チェーン店があった。そこのスタッフは、人手不足によって十分な接客ができないことや、給与水準が低くスタッフの定着率が悪いなど、愚痴を店長に漏らしていた。

チームが低迷している時、“ガス抜き”と称して、愚痴を吐き出す場を設けるリーダーもいる。ただ、愚痴の共有は、“現状の不満”の言い合いで、傷をなめ合っている姿だ。

本当にチームが低迷している場合は、傷のなめ合いだけでは、本気のスイッチは入らない。

「愚痴の共有ではなく、危機感の共有をせよ!」

ここでお伝えしたい「危機感の共有」とは、このような愚痴を吐き出す事ではない。

危機感の共有とは、“将来の不安”を共有し、「ここままではマズイ!」と奮起させることだ。

このチェーン店のなかで、1日だけお店を臨時休業にして、繁盛しているライバル店にスタッフを連れて行った店長がいた。もちろん、お客として視察に行ったのだ。

「他責」を「自責」に変えるシカケ

繁盛しているライバル店をお客様視点で体験してみると、明らかに自分達と違う部分が浮き彫りになる。

  • 一度に大勢で押しかけていても、客捌きがいい!
  • ホールを仕切っているリーダーの声掛けが上手い!
  • ホールと厨房の連絡がシクミ化されて、抜け漏れがない!

などなど

ライバル店を出てから、店長は連れてきたスタッフにそのお店の募集広告を見せて、

「このお店のスタッフの時給、みんなよりも安いんだよ」

「このままだと、本部からはもっと時給を下げろと言われても、何も言えないよね」

「でも、もっと工夫すれば、できることあるよね」

と、静かに語りかけていた。

このエピソードは、後にスタッフから店長になった方が、「忘れられない1日」として語ってくれたものだ。この臨時休業にした日を境に、スタッフの目の色が変わり、様々な改善に取り組み、業績を立て直したという。

業績が低迷し、チームのモチベーションが下がってくると、どうしても内向きの思考になり、他責思考になる。

その時、リーダーはその雰囲気に飲まれてしまうのではなく、その雰囲気を変えるシカケを講じることが重要だ。

「外から競合や自分達を客観視させるシカケ」、「自分達が変わることで解決できることがあると思い直すシカケ」を繰り出すことが、“本気スイッチ”を入れるリーダーシップ力なのだ。

次回は、“本気スイッチ”が、逆もどりしないように、チームを盛り上げていく方法についてお伝えしたい。

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