読めばわかるコラム:Vol.8 強い営業チームには「やり切るシカケ」がある

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(株)プロジェクトプロデュース 亀田啓一郎です。

「最近のメンバーは立派な計画は立てるものの、三日坊主でやる切る力がない」とお嘆きの営業リーダーは多いのではないだろうか。人間、誰しもやらなくては…と分かってはいるものの気乗りがしない、体が動かないということも多々ある。

マネジメント側がやり切る決意を持つことは当然ながら、それに対してメンバー全員が同様に強い意志を持ってすぐに動いてくれるとは限らない。ただ、それは当然の前提とするべきで、リーダーはそれを見越して対策を取る必要があるのだ。今回はその対策について考えていこう。

営業行動を促す動機づけ策としての「シカケ」を考える

営業チームに配属された5人の新入社員の例で見てみよう。

5人には、過去の販促セミナーにご参加いただいた未取引客にアポイントを取り、新サービスの案内を行いながらそのニーズを把握するというミッションを担ってもらった。つまり、このミッションが新入社員にとって「実践すべき営業行動」となる。

おそらく、スタート当初は意気込んでアポを取ろうとするだろう。だが、そう簡単にはアポが取れないことに意気消沈し始める。たとえ運よく面談の機会に恵まれても、新サービスの説明もヒアリングもうまくできずに退散する場面が続き、やがてやる気がなくなってしまう。

しかし、こんな時こそシカケを考える絶好の機会だ。
このミッションを促す動機づけ策として、3つのシカケを考えてみた。


案1)
アポイントが取れたら1点、ヒアリングができたら2点、受注できたら5点…というように、得点を競い合う「新人営業デビューレース」を実施する

案2)
案1のような得点を競い合うレースを、新人教育担当の先輩とペアになり「師弟で二人三脚レース」を実施する

案3)
案2に加え、どのペアが優勝するかを他の社員が投票できるようにして、優勝チームに投票した人も含めてインセンティブが支援される「営業部あげてのイベント」にする


実は、この3案とも私が実際にお手伝いした企業様で行ったシカケだ。

さぁ、皆さんならどの案が一番効果的だと思うだろうか。

ブレーキを外す動機づけをせよ!

では、営業行動を実践させるためのシカケ案1~3について解説しよう。

大切なのは、何がブレーキ要因なのかを知り、そしてそれを外すための動機づけ策をシカケる必要があることだ。

案1)「新人営業デビューレース」

新入社員の心の中にある「どうせ、やってもうまくいかないだろう」というブレーキ要因を外すために成果を見える化して競争させるという動機づけを講じている。ただ、これだと5人の新人たちは黙々と孤独なレースをすることになり、これが長く続くと疲弊してしまうかもしれない。

案2)「師弟で二人三脚レース」

「効果的なやり方が分からないし、やみくもにやっても無理だ」というブレーキ要因を外すために、教えてもらえる先輩とペアでチャレンジする動機づけとなっている。チーム対抗戦にすることで、孤独感は払しょくされるというメリットがある。さらに、先輩は担当する新人を勝たせるために努力するし、新人は先輩の指導に報いたいという連帯責任が生じて、相乗効果が期待できるよいシカケと言える。

案3)「営業部あげてのイベント」

これは、案2)のメリットに加えて、各チームに応援団がたくさんいる状態だ。当人たちは、なんとかその期待にも応えようとさらに頑張ることができるだろう。もっとも効果のあるシカケと言えるだろう。

営業リーダーが果たすべき役目とは?

チーム一丸となって難局を突破するために、やり切るべきことが日々、多々あるだろう。営業リーダーであるあなたは、これまでも幾多の壁を乗り越えて実績を積み、評価を上げてきたはずだ。そんなあなたから見れば、若いメンバーたちに対して「なぜこれができないのか」「自分はもっと頑張って乗り越えてきたのに」と思ってしまうのも当然だ。

でも、考えてみてほしい。

営業リーダーやマネージャーになった以上、頑張るのはあなたではなくメンバーだ。
あなたの仕事は、メンバーが楽しく頑張れる環境を整えることなのだ。今できないことを、できるようにすることだ。

想像してみてほしい。

あんなにへなちょこで毎日がつらそうだった若いメンバーが、あなたが創意工夫を凝らしたモチベーションアップのシカケのおかげでいつの間にかたくましくなり、楽しそうに仕事をしちえるのを見る日がきたらどうだろうか。泣けてくるじゃないか。

その日こそ、あなたの勝利の日だ!

次回もシカケに関する話、ナレッジマネジメントを促すシカケについてお伝えしたい。

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