読めばわかるコラム:Vol.50  信頼される営業リーダーに必須!「ブレないマネジメントの軸」を持つ方法

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信頼できない上司の特徴として、「言うことがコロコロ変わる、一貫性がない」が、部下へのアンケートで上位のキーワードだ。つまり、言動にブレあると部下からの信頼感が低下するということだ。今回は営業チームを率いるマネージャーやリーダーとしてブレない軸を持つための心構えについて解説する。

真価が問われる「想定外なケース」

誰でも決められたルール通りに進めば楽だ。でも仕事をしていると、ルールに当てはまらないケースがいくつも出てくることは、みなさんもご存知のとおりだ。

例えば、「値引き販売はしない」というルールを決めていたとしても、「大型商談を競合会社に取られてしまう」、「長年お付き合いしてきたお客様だから特例として認めてほしい」といった要望が営業メンバーから出てくることはよくある。

このように想定外なケースには答えがない。その答えがない場面でどんな判断をして答えを出すのか、そこを部下は見ている。

ブレない意思決定のための「判断基準」とは

ブレないとは、「一貫性のある判断基準」を持っていることだ。判断基準とは、判断する時の拠り所としている考え方である。

「この場合は、値引きは認める」と回答するとしたら、そこには理由があるはずだ。

例えば、

  • 値引き金額を上回る、他の金銭的メリットが得られる裏付けがあるから
  • 特定の競合サービスには、絶対にシェアを奪われたくないから

などなど。

ただ、この判断理由がその都度変わってしまう人は、その拠り所とする考えが定まっておらず、ブレていると思われてしまうことが多い。

あるベンチャー企業の社長が、次のようなことを言われていた。

「自分が重要な意思決定をする時、直感的に答えは出ているが、それをすぐ伝えるのではなく、その意思決定理由を書き出すようにしている」

「ほんの5分〜10分くらいの作業だが、とても重要な思考習慣にしている」

その意図は、意思決定理由は妥当か、これまでの判断基準と照らして一貫性があるかを、改めて確認する時間をとることにあるそうだ。

「意思決定を下す訓練」でマネジメント軸を磨く

ブレない軸を磨くために、このベンチャー企業の社長のように、客観的に確認する時間をとることも有効なやり方だ。一方、営業現場を預かる皆さんには、別の観点からお勧めしたいことがある。

それは、意思決定の場数を踏むことだ。

優秀な経営者は、ブレないマネジメント軸を持ち、即断即決をしているように見える。ただ、それは一朝一夕にそうなったわけではない。それまでに難しい判断を求められる意思決定を何度も行ない、時には手痛い失敗もしながら、鍛えられてきたプロセスがある。

値引きの例でも言えることだが、営業リーダーやマネージャーの職責では、意思決定のレベルを超えているケースが多々あると思う。その際に、自分で判断する思考を止めてしまい、上司に意思決定を丸投げしてしまう人がいる。なぜなら、その方が楽だからだ。

でも、それは非常にもったいないことをしている。

最終的には自分だけでは決められないにしても、自分だったらこの判断理由で、このような意思決定をするという結論を出すことはできる。

その絶好の訓練の機会を逃しているのだ。上司に具申するにしても、自分なりの意思決定理由と結論も一緒に伝えればよい。もちろん、却下されることもあると思うが、上司が下す判断理由を確認することで、その思考は磨かれていく。

自分で何かを決めてチームメンバーに下ろすことは、重い責任が生じるし、労力がかかる作業だ。でも、このような意思決定作業から逃げずに場数を踏むことで、自分のマネジメント軸が磨かれて明確になっていくのだ。

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