読めばわかるコラム:Vol.36 メンバーのモチベーションを高めるには!?強い営業リーダーが実践する “評価とフィードバック”

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メンバーの評価に携わっている営業リーダーの方も多いと思う。評価のフィードバックの仕方ひとつで、メンバーのモチベーションが高まったり、または軋轢を生む原因にもなる。今回は、部下への評価のフィードバックのポイントについてお伝えしたい。

公平な評価には「実績」と「行動」の2つ視点が必要

評価の透明性と公平性が担保されていないと、メンバーのモチベーションは上がらない。透明性とは評価基準が明確になっていることである。皆さんの会社で評価ルールが定められ、周知されている場合は、一定の透明性はあるということだ。

公平性とはえこひいきがない、評価者間で評価基準の解釈にズレがないということだ。ただ、人が人を評価する上で、評価者の主観を完全に排除することは難しい。

そこで、できるだけ主観を排除するためには、「客観的な事実」を把握し、それを評価の根拠にすることが大切だ。

ポイント1:評価期間中の実績に着目する

営業の結果として出た数字は、「客観的な事実」で主観が入らない。ただ、この実績には、本人の努力以外の要素も影響する場合がある。例えば、大口の担当取引先が倒産してしまい業績に影響が出る、あるいは競合会社に不祥事があり、自社に発注が殺到するという“棚ぼた”的な場合もある。

ポイント2:実績を出すためにとった行動に着目する

そのような外的要因を排除するためには、営業メンバーがとった行動の差や変化を客観的に観察して把握しておくことが重要だ。同じ実績を出している場合でも、競合ひしめく状況から大型受注を獲得して実績をあげたA君と、先輩から契約寸前の会社を引きついで実績を出したB君では、やっている行動内容が違ったはずだ。

営業メンバーのモチベーションを高めるためのフィードバックのコツ

「A君、上半期はホントに頑張ったよね!だから、評価も高めにしているよ」と言われたら、嬉しいかもしれないが、「どこを頑張ったと評価してくれたのだろう?」と疑問を感じるはずだ。

「B君、実績面は言うことないんだけど、もうひと頑張りが欲しかったな」と言われたB君は、「じゃあ、何を頑張ったら良かったの?」と思うだろう。

以下にメンバーが納得し、モチベーションアップにつながる伝え方のポイントを紹介しよう。

ポイント1:把握した客観的事実を評価の根拠として伝える

「A君、実績面では3番目だけど、競合会社との違いを一つ一つ整理して、丁寧にお客様に説明しながら信頼を獲得していったことが、逆転の大型受注につながったよね」

「A君の作った資料は、他の営業メンバーにも活用されるくらい完成度が高いよ」

このような理由からプラスの評価となったと伝えられたほうが、部下のモチベーションは上がるはずだ。

ポイント2:メンバーに自己評価を確認し、今後の課題を具体的に伝える

「B君、上から3番目の実績だ。これは素晴らしい貢献だね。この実績を自分ではどう評価しているの?」と、最初に自己評価を尋ねてみる。

自分を客観的に把握できているメンバーならば、「先輩から引き継いだ会社がうまく受注できたので、ラッキーでした」とコメントするだろう。

「いや、先輩が築いた信頼関係を崩さないように、いろんな部署を回りながら丁寧に状況把握をしていることは、ちゃんとわかっているよ」

「次は、『B君だから新たにこんな相談をしたい』とお客様から言われるようになって欲しい」

というように、これからの成長に向けてのポイントを伝えることも、モチベーションを上げるポイントだ。

いずれにしても、評価の根底にあるのは、ちゃんと見ている・見守っているという評価者のスタンスだ。ここが疎かになってしまうと、メンバーとの信頼関係が崩れてしまい、何を伝えても納得感がなくなってしまうのだ。

・フィードバックについては以下の記事も読んでほしい。
Vol.27 効果的なOJTに必須!フィードバックのポイント3~強い営業リーダーの部下育成3~

次回は、育成計画の考え方についてお伝えしたい。

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