読めばわかるコラム:Vol.34 営業リーダーが押さえておくべき!現場で使える「営業戦略」の立て方と伝え方
トップへ戻る営業現場のメンバーの愚痴を聞くと、「ウチの会社には、営業戦略がないんですよ……」という言葉がよく出てくる。営業リーダーの皆さんも、メンバーからの同じような問いかけに、ちょっと困ったことはないだろうか。
今回は、営業戦略を現場での営業活動に反映させる際のポイントについてお伝えしたい。
そもそも「営業戦略」とは何か?
企業の戦略には、いろんなものがある。経営戦略、事業戦略、製品戦略、人事戦略などなど。
なかでも「営業戦略」とは、「何を(商品・サービス)」「どこに(対象顧客)」「どのように売るか(売り方の要点)」を表したものだ。
「どのように売るか」の部分には、以下の2つの意味が込められている。
1)自社の商品やサービスのこの機能特徴を活かして、こんな顧客ニーズを満たせ!
2)自社の商品やサービスのこの機能特徴を活かして、このように競合と差別化せよ!
「ウチの会社には、営業戦略がない」と営業メンバーが愚痴をこぼすのは、
①どこに営業したらいいのか?
②お客様はどんなニーズを持っていて、商品のどんな部分をアピールすると売れるのか
③競合商品と、どのように戦い、差別化すればいいのか?
この3つが曖昧になっているからだ。逆に、この3つが明確であれば、効率的で効果的な営業ができるのだ。
戦略とは、戦(いくさ)を省略すると書く。つまり無駄な戦いをして、貴重な営業資源を消耗しないために、営業戦略を明確にすることは非常に重要なのだ。
営業戦略の最重要ポイントはターゲッティング!
営業リーダーが営業戦略を立てる場合、一番重要なのは「売りに行くべき対象顧客=ターゲット顧客」を営業メンバーに明確に示すことだ。理由は3つある。
理由1
ターゲッティング精度の差が、業績に最も影響を与えるから
売れないメンバーの傾向として、売れないところ、もしくは少ない売り上げにしかならないところにパワーを割いていることが多い。いくら商品説明が上手くても、コミュニケーションスキルが高くても業績は上がらないのだ。まずは、正しい売り先を明示することが、低迷する営業メンバーの底上げには最も有効なのだ。
理由2 ターゲット顧客が明確になると、自ずと「売り方のコツ」は見えてくるから
商品とターゲット顧客が決まると、その顧客層がどんなニーズをもっていることが多いのか、どんな競合を使っていることが多いのかは、営業し始めるとすぐにわかるはずだ。ターゲットを固定することで、売り方のコツを早くつかむことができるのだ。
理由3 会社が示す方針で一番曖昧になっているのが、ターゲット顧客の部分だから
経営層も大きな戦略や方針を示しているはずだ。ただ、その表現としては抽象的な場合が多い。
例えば、「大手企業を中心に、リプレイス営業を強化することで、シェアアップを図る」という会社の方針をそのまま伝えても、「大手企業って、どこ?」という疑問が営業メンバーから出てくる。
「競合製品Xを導入している、東京か大阪に本社があって、営業拠点が10か所以上ある会社が最優先だ」「例えば、この前受注した○○会社のような企業だよ」と言えば、イメージがわいてくるはずだ。
このように、優秀な営業リーダーは、会社が示す方針を、現場の営業メンバーが行動に移せるレベルまで翻訳して伝えている。
経営層が立てた戦略や方針を解釈して、営業現場に接続することが、営業リーダーの需要な役割なのだ。
次回は、部下の成長を促す目標設定の仕方についてお伝えしたい。