読めばわかるコラム:Vol.33 強い営業チームは実践している!ヒアリングで使えるフレームワーク活用術
トップへ戻るメンバーからの商談報告で、「この点は、どうなの?」と聞いても、「そこは、聞けていません…」という返答ばかりが続くことはないだろうか。いわゆる、ヒアリング不足ということだ。こんな時はメンバーに、もれなくヒアリングするためのフレームワークを教えることをおすすめしたい。
「フレームワーク」をヒアリングに使うメリットとは?
そもそも「フレームワーク」とは、枠組み、骨組み、構造という意味だ。特にビジネスシーンでフレームワークを使うことのメリットは、一見複雑な情報をもれなくダブりなく、構造的に整理することができることだ。フレームワークでまとめられた資料はわかりやすく、自分自身の思考の整理にも役立つのだ。
例えば、企業のマーケティング戦略を整理する代表的なものには、4Pフレームワークがある。製品(Product) 価格(Price) 販促(Promotion) 流通(Place)の頭文字の4つのPを表している。
例えば、お客様の商品に関するヒアリングをする場合でも、製品(Product)の特長だけを聞くのではなく、
・その価格(Price)優位性はどうか?
・どのような販促(Promotion)に力を入れているのか?
・流通(Place)手段としては、卸や代理店を使っているのか、直販で売っているのか?
など、4Pフレームを意識することで、その全体像を整理しながら幅広く聞くことができる。このようなビジネスフレームワークを紹介する書籍は、数多く世の中にある。自分たちの営業場面で使えそうなものを選び、活用すると良いと思う。
万能なヒアリングフレーム:「上下の質問フレームワーク」を活用せよ!
まず図をごらんいただきたい。これが、「上下の質問フレームワーク」だ。
お客様の発言から、「上に展開する質問」と「下に展開する質問」を使って「背景や理由」と「具体的な要望」を引き出すためのフレームワークだ。極めてシンプルだが、いろんな場面で使える万能フレームだ。
図の例は、リフォーム会社がお客様から「お風呂場で洗濯物を干せるようにしたい」という要望を受けた際に、さらに深掘りして聞いている事例だ。営業メンバーの大半は、「下の質問」は忘れずにすることが多い。なぜならば、見積作成や納期確認といった、その後の作業を考えると、より具体的な情報が欲しいからだ。
一方、上の質問である、その理由や背景を確認し忘れることは、とても多い。この場合、3人の男の子の大量の洗濯ものが発生している、という背景や理由が分かれば、ベランダの改装の方が妥当だと専門的なアドバイスをすることもできる。
このように、メンバーに上下の質問を意識づけるためには、図に示すようなフレームワークを営業場面で活用させることが一番だ。具体的な方法としては、メモするノートに薄く線を引き、図のような枠組み(フレーム)を書いてヒアリングするようにメンバー指導するのだ。
視覚的に、フレームを意識させることで、ヒアリング漏れを防ぐことができる。ぜひ、試して欲しい。
次回は、営業リーダーは押さえておくべき営業戦略の立て方についてお伝えしたい。