読めばわかるコラム:Vol.17 ロールプレイの正しいやり方を知っているか —強い営業チームになるヒント01

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営業職ならば、営業ロールプレイングの経験をもつ人は多いと思う。

その大半は、みんなの前で色々と指摘され凹んでしまった苦い思い出となっていることが多い。また「ロールプレイなんて新入社員がやる初歩的な訓練だろ」と勘違いされている場合も多い。

優れた営業リーダーは、ロールプレイを上手く活用しながら、メンバー指導を行っている。
今回は、ロールプレイの正しいやり方についてお伝えしよう。

トレーニングの質を決めるのは「お客様役」だ

ロールプレイの“ロール”とは「役割」という意味だ。一般的な営業ロールプレイは、お客様役と営業役に分かれてその役を演じることで、本番に向けた模擬演習を行うものだ。

テニスや卓球でも同じだが、練習相手が上手くないとトレーニングにならない。つまり、お客様役がトレーニングポイントを押さえた演技をしないと、営業役の練習にならないのだ。

では、トレーニングポイントを押さえた演技とは、どうすることか。

テニスを例にとると、バックハンドが苦手であれば、敢えてその方向にボールを出すように、メンバーが無口で無表情なお客様が苦手であれば、そのような役を演じる。

また、深掘りしてヒアリングすることが苦手なメンバーには、情報を小出しにしながら、突っ込んだ質問をしてくるまでは、話さないお客様を演じる、という具合だ。

このように強化が必要なポイントをメンバーとすり合わせ、そこが鍛えられるようなお客様役を演じることが重要となる。このような対応ができるのは、数多くのお客様とのやりとりを経験し、アドリブ対応できる営業リーダーの皆さんなのだ。

正しい「ふりかえり」を行っているか?

ロールプレイは、やりとりが終わったあとの「ふりかえり」が最も重要だ。
「ふりかえり」の手順とポイントは次の通りだ。

1.営業役から、意図通りにできた事と、思うようにできなかった事を話してもらう。

2.上手くできなかった点について、その理由を営業役に考えて話してもらう。
  ※ポイント:まずはメンバーが自分でふりかえり、気づくことを促すこと。

3.次に、お客様役から、良かった点、改善点をフィードバックする。
  ※ポイント:フィードバックは、具体的なやりとりのシーンを取り上げて、その良し悪しを伝えること。

良い例)
「最初雑談場面で、お客様の名刺に記載されているキャッチフレーズを切り口にしたのはとても良いね!そこから会社の方針に話が発展して、詳しい情報が聞けていたね。」

悪い例)
「しっかりと聞けていて良かったよ!」というフィードバックは悪い例だ。ほめられているが、どこが良かったのかさっぱりわからないから学習にならないのだ。

4.最後は、改善点を指摘するだけでなく、一緒に「改善策」を考え、本番ではどうすれば良いか、その実践イメージを伝えることが重要だ。

営業同行などでメンバーと課題を共有できれば、強化ポイントに的を絞り、10~15分くらいのロールプレイを試してほしい。上記のような「ふりかえり」をしても、30分くらいで終わるものだ。

その際には、営業リーダーの皆さんには、学習効果の高いお客様役を演じ、メンバーと向き合ってほしいと思う。

次回は、ロールプレイの活用法についてだ。
ロールプレイを上手く活用して、ベテランのノウハウをチームで共有するシカケについてお伝えしたい。

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