読めばわかるコラム:Vol.04 強い営業チームは「シクミづくり」で勝ちパターンを意識付けしている!
トップへ戻る(株)プロジェクトプロデュース 亀田啓一郎です。
前回のコラムでは、チームで営業ノウハウを共有する手法として、「勝ちパターン」のつくり方、見える化について触れた。ただ、それを営業メンバーに徹底できなければ意味がない。今回は、「勝ちパターン」を意識づけ、実践を促すシクミづくりについてお伝えしたい。
勝ちパターンを徹底できる「商談管理表」の作り方
どんなことにでも言えることだが、新しい手法や考え方を定着させていくには、日々の活動のなかに組み込む必要がある。今だと、店舗の入り口には必ず消毒液が置いてあって、私たちは手を消毒してから中に入るという習慣が定着したのも一つの例だ。
営業のマネジメントでも同様に、営業ノウハウを見える化した「勝ちパターン」の概念を、ルーティーンで行う作業の中に組み込むことで、その実践を意識づけることができる。
そのひとつの手法として、「商談管理表」というシクミの工夫が挙げられる。
図に示したものは、ある製薬会社の「商談管理表」の例だ。
◎ステップ1~6が、営業メンバーに実践してほしい勝ちパターンの流れだ。
◎すでにクリアできているステップ1・2は、その結果が黒字で記入され、次に目指すステップとそのためのアクションプラン(青で記入)が一目でわかるようになっている。
このステップがフォーマットに組み込まれていることで、自然と勝ちパターンを意識して、いつまでにどんな活動をすべきかを考えるシクミになっている。
おそらくどんな営業組織にも、日報や週報の提出や、営業活動の進捗、数字の変化を報告するためのレポートフォーマットがあるはずだ。そのフォーマットに「勝ちパターン」の概念を組み込むのだ。
「狙い」と「結果」がわかるフォーマットで次の一手への思考習慣をつけよ
以下に示すような、営業メンバーが行ったアクション内容だけが書かれている営業日報を見ることが多いが、これはありがち残念な例と言わざるを得ない。
これだと、
- いったい何を狙ってアクションしたのか?
- その結果はどうだったのか?
狙いと結果がサッパリわからない。
前回のコラムでも述べたが、優秀な営業メンバーは1つ1つの営業アクションに明確な意図や狙いがある。まずは、そこを他の営業メンバーにも意識づけることで、勝ちパターンが刷り込まれるようになる。
つまり、図で示した「商談管理表」のステップ3を例にとると、「症例データを入手する」という狙いを持って、アクションする内容と期限が青字で書かれている。
そして、狙いどおり成功したのかどうか、その結果を営業メンバー本人に記入させるフォーマットの構造にすることで、自らの営業活動を振り返り、自分なりに次の一手を考える思考習慣が生まれるのだ。
このように、「勝ちパターン」を見える化するだけでなく、その実践を意識づけ、営業メンバーが主体的に考え行動するシクミをつくることも、営業リーダーにとしての重要な役割なのだ。
次回は、「商談管理表」を活用した、有効な営業ミーティングの仕方についてお伝えしたい。