読めばわかるコラム:Vol.25 昔とは違う!? 「イマドキ営業メンバーの育て方」~優れた営業リーダーの部下育成1~

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部下から依頼され、営業に同行するリーダーは多いと思う。そこでリーダー自身が代わりに営業すれば、受注確率は高くなる。だが部下は、リーダーに依存してしまい成長しない。こんなジレンマに直面している方は多いと思う。

今回は、依存型の部下を独り立ちさせる育成方法をお伝えしたい。

「とりあえずやってみろ!」は通用するか

下の図「経験学習サイクル」を見てほしい。これは組織行動学者のデービッド・コルブ氏が提唱している「経験学習モデル」に筆者が加筆したものである。仕事での実践経験からセオリー(成功法則やコツ)を学び、成長する循環を表している。

営業リーダーの皆さんが駆け出しの営業メンバーだった頃は、「とあえずやってみろ!」と言われて、分からないままにお客様先に行かされ、しどろもどろになって帰ってくることの繰り返しだったのではないだろうか。つまり、皆さんの多くは、図の(2)からスタートして、失敗も経験しながらセオリーを身につけてきたはずだ。ただ、自分たちが経験してきた従来のやり方が、今どきの若手には通用しないと考えたほうがよい。「とりあえずやってみる」の前に、セオリーを理解納得しないと体が動かないのだ。

ポイント1:今どきの若手には、“最初に”セオリーを伝えよ!

図:部下育成における経験学習サイクルの回し方

つまり、営業リーダーとしては、(1)営業同行などで手本を見せながらセオリーを教え(2)と(3)を伴走しながら実践を促し(4)振り返りを支援して、また(1)セオリーに結びつけるという順番で、経験学習サイクルを一緒に回すアプローチが重要となる。

イマドキ営業メンバー、自立への道

次は、いつまでもリーダーに依存するのではなく、自立してもらう必要が出てくる。

そのためには、失敗を恐れずチャレンジさせ、自力で小さな成功や成果をつかみ取る体験を早めに演出することがポイントだ。

例えば、営業同行しても口を出さず、自力で商談をリードさせる。ただ、もし失敗してもサポートする役割を営業リーダーが担うような関わり方だ。あたかも、子供が自力で自転車に乗れるようになるまで後ろで支え、次第に手を放していくイメージだ。

ポイント2:失敗を許容し、早期に小さな成功体験をさせるべし

「できた!」という小さな成功体験を早期に積むことが自信となり、部下が自立し始める。こうなると、営業チームの戦力は一気に上がる。

これは、営業リーダーにとって相当な我慢が必要となるが、部下育成の成功体験を積むためには避けては通れないプロセスだ。ぜひ、チャレンジして欲しい。

この「経験学習サイクル」を回すうえで難しい部分は、営業リーダーが自らの体験をひも解き、セオリー化する部分だ。言い換えると、成功の法則を自分の言葉で伝えることが求められる。

次回は、その「営業のセオリー」の伝え方についてお伝えしたい。

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