読めばわかるコラム:[Biz小説]第2話:振り返りを学びに変える人

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ここはプロプロ株式会社。新入社員として入社したばかりのB作は同期のA子とともに“売れる営業”を目指して頑張る日々だ。そろそろ先輩との同行営業も終わり、単独で案件を任されることも増えてきた。今回は同僚A子とタッグを組んでの営業活動!さて、今回はどんな気づきがあるのか⁉

chapter 1 商談を終えて帰ってきたふたり

A子とB作が商談から戻ってきた。なんだか浮かない顔をしている。

「うーん…なんで見積り依頼まで行かなかったんだろう?」とA子は厳しい顔でB作に問いかける。
「やっぱり価格が高かったのかなぁ…プレゼンは悪くなかったと思うけどなぁ」
上司のC一郎はそんな様子を見てふたりをミーティングスペースに集め、こう切り出した。

「ふたりとも、ちょっと立ち止まって振り返ってみよう。今回の訪問の“目的”は何だった?」

「提案に興味を持ってもらうことです」とA子。
「そうだね。では最終目標である“今回の商談のゴール“は?」
「見積り依頼をもらって、次の打ち合わせにつなげること…ですね。」

B作がすかさず答えた。A子には負けてられないからだ。

chapter2:原因を探る

「その結果にならなかったのは、何が原因だと思う?」さらに問いを深めていくC一郎。
「私たちの提案がお客様のニーズとマッチしてなかったからですかね…」
「なぜ、お客様のニーズとマッチしなかったと思う?

B作は考えを巡らせる。
「あ、そういえば前回の時点で、ヒアリングが浅かったかもしれません

ニヤリとするC一郎。
「そこだ。実はその前の商談の目的は、お客様のニーズを引き出すことだったんじゃないか?」

そこに通りがかったDキル(デキル)先輩がついつい口をはさむ。
「ニーズが見えてない状態で提案しても、響く確率は低いよ。じゃあ、前回の“商談のゴール“は?つまり、どのレベルまでニーズを引き出せばいいかをイメージできていたかい?

「確かに、集客数が上がらないのが悩みだと言われたから、それを聞いてサービスの説明を熱心にはしてしまって…そもそもどういう状況なのかをあまり詳しく聞かなかったです…」

A子がそう言いながら悔しそうに下を向いたのを見て、C一郎は明るい声で新人ふたりに語りかける。

Chapter3:内省から学びへ

「振り返りってのは、ただ結果に一喜一憂することじゃなくて要因を探ることなんだ。なぜ興味を持ってもらえなかったのか。何が足りなかったのか」
「つまり、“何が目的だったか” “何がゴールだったか”を思い出さないと、原因も見えないということですね」A子は顔をあげてしっかりとした口調でそう答えていた。

「そして、そこからどうすればいいかを考えれば、次につながる…」

B作もそう言いながら何かをつかんだようだ。

chapter4:概念化と勝ちパターン

C一郎はふたりの様子にホッとしながらこう続ける。

「経験から学ぶというのは、こうやって“セオリー化”することだ。同じような成功・失敗を何度も経験して、その中で自分なりの勝ちパターンをつくることが大切なんだ」

「俺だって最初からうまくいったわけじゃない。何度も失敗して、少しずつパターンを見つけたんだぜ」

と、いつの間にか隣に座っていたDキル先輩が得意げに話す。

「じゃあ次は、ヒアリングのゴールイメージを明確にして、どうやって引き出せばいいかを考えていけばいいってことね。B君、さっそく次の作戦を練りましょう!」

と意気揚々なA子。

「うん、すぐにやろう!ところでDキル先輩、いつの間にミーティングに入ってるんすか!?」

B作とA子にようやく笑顔が戻ってきた。その横でC一郎は、ふたりを心配してミーティングスペースの周りをうろうろしていたDキルを微笑ましくみていた。

コラム:経験学習理論における“振り返り”

経験学習理論では、「経験(狙いをもって実践) → 内省(振り返り) → 概念化(セオリー化) → 実践・試行」というサイクルを回すことが重要とされます。

今回のケースでは、改めて目的、ゴール(狙い)に立ち戻り、内省(振り返り)によって「前回のアポでニーズを深く聞き出していなかった」ことに気づきました。

それを次回に活かすための“概念化・セオリー化のための問い”が出てきました。この問いを次回の実践・試行の目的にして経験学習サイクルを回すことで、勝ちパターンが蓄積され成長スピードは加速します。

前回のお話はこちらから 第1話:真似る力の差

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